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第1話 / 全1話
自称ショートショート作家の男が、パソコンの前で固まった。
「なんだ……この世界は。異世界、転生、魔法、ファンタジーばかりじゃないか」
その時、微かに声が聞こえた。
「お前も、書いてみるがいい」
「その声は……星先生、筒井先生ですか?」
「パステルカラーな世界を書くのだ」
男は指を走らせた。
ある日の午後。
道路脇で、婆さんが杖を大きく振っていた。
かすれた声で呟きながら、ふらふらと歩いている。
「……魔法の杖か?」
そこへ、車が止まった。
出てきた女は、慣れた様子で駆け寄った。
「義母さん、帰りましょ」
婆さんは手を引かれ、小さく笑った。
その様子を見ていた男が、スマホにメモを書き込む。
『異世界転移寸前』
男はホッとした顔で、その場を立ち去った。
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