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第1部3章『罪無き者の贖罪』ペレジス-虚栄の惑星 / 第66話
「ホルムス団長、よろしいですか?」
執務の合間に過去の思い出に浸っていたジョッシは、部下の声に現実に引き戻された。前任者であるブースタリア団長からこの地位を引き継いで既に37年。すでに前団長は亡く、自身も老境と呼ばれる年代になって久しい。
最近では壁に飾られたXthキャリバーとヘルミナの義手を眺めながら、物思いにふける時間も多くなってきた。そろそろ後継者を選ぶ時期だと思い始めていたが、心残りがあることもあってなかなか決心が付かないでいたが……いや、今は仕事の話だ。
「どうした」
「軌道ステーションから報告がありまして……。当惑星所属のシンガーが居留地への航宙船着陸許可を求めていると」
「着陸?ここにか?」
「はい、大気圏離着陸が可能な航宙船だそうですが……。いかが致しますか?」
大気圏離着陸が可能な航宙船?科学考証も禄にされていない三流ホロムービーの物語ではあるまいし、そんな船があってたまるものか。
だが、不思議とそんなありえない船に乗っている、少女の姿が脳裏に浮かんだ。
「そんな破天荒な事を言い出すうちのシンガーなど……一人しかおらんな。そうか、ようやく帰ってきたのだな」
「は……?」
「いや、なんでもない。着陸を許可すると伝えてくれ」
「はあ……。団長がそう言われるのなら……。上にはそう伝えておきます」
遠い昔に自分達を救ってくれた二人の少女。星の彼方へ旅立った彼女が帰ってきたのだ。
ヘルミナにも知らせてやらんとな……。
3人の孫達を引き連れ、4代目となるブラスター内蔵義手の試射に出かけている妻のことを思いながら、再会への期待と一抹の哀惜を胸に、ジョッシュは席を立った。
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