ヒュプノスの魔法使いは繭に眠る〜青藍→
ファンタジー / 異世界ファンタジー・51話・完結
この世界の子どもたちには性別がない。
中には魔法の力を持つ子どもたちがいる。
大人になると性別が分化して、魔法の力は失われる。
大人になる条件は三つ。
大人に守られずに、過酷な環境で生きること。
大人の知識に気づき、身につけてしまうこと。
そして、誰かに恋をすること。
だから魔法使いたちは、優しい繭の中で眠っている。
いつか役割を終える日まで。
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ぼくたち南一班は、一緒にご飯食べて、訓練して、任務に出て、ちょっと泣いて、また同じ部屋へ帰ってくる。
深緋《コキア》は、静かで丁寧な優等生。
鶸《ヒワ》は、うるさくて、よく寝て、甘え上手。
青藍《セイラン》は、お兄ちゃんみたいに二人の面倒を見ている。
食堂、待機室、検診、資料室、遠征任務。
ぼくたちは、そういう場所で暮らしている。
けれどこの世界では、大人になると魔法が使えなくなっていく。
大人になった子どもたちは、班を離れて別の仕事へ移っていく。
誰かを特別に思うことも、ぼくたちにとっては少しだけ「大人へ近づくこと」。
だからぼくたちは、検診を受け、適性を測られながら暮らしている。
これは、深緋・青藍・鶸の三人が、まだ一緒にいたころの物語。