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第5話 / 全23話
ピンポーン!ピンポンピンポンピンポーン!
翌日。気だるい昼の自宅を大きなチャイムの音が引き裂いている。
「……うるせえええ! スイ! 絶対お前だろ!」
ボサボサの頭で力任せにドアを開けると、制服姿のスイが悪びれもせず立っていた。
「やっほー。文化祭の準備、呼びにきたよ」
「いや、俺は断るっつっただろ! 今日は新しいバイト探して――」
「いいから」
彼女は有無を言わさず裾をぐいぐいと引っ張る。伸びるからやめろ!
「……なあ、お前さ。そもそもどうして俺を文芸部に連れて行こうとするんだよ?」
「それは……言ったらダメだから」
スイは視線を逸らした。
「とにかく来て」
「は? ちょっと、おい!」
家から連れ出され、俺は髪を整えながらしぶしぶスイの横を歩く。
「お前ら強情すぎんだよ。主役の件だって、断っても断っても押し通しやがって……」
「ま、いいじゃん。やってみれば」
「お前なあ……。そう簡単に言うなよ」
俺は頭をかいて顔を逸らした。
「……俺のせいで、せっかくの文化祭がめちゃくちゃになったらどうすんだよ」
俺はわずかに俯く。
「んー……まあ、その時はその時だよ。ハルトくんの天才的なアドリブ力で頑張って」
「適当だな!」
こちらは舞台で失敗するところばかり想像してよく眠れなかったというのに。
「はぁ……どうなっても知らないからな?」
「うん。一緒にやろ」
彼女はいつものぼんやりとした目元を少し和らげて、満足そうに微笑んでいた。
それにしても、彼女が俺に対してこんなに強引なのはいつからだっただろうか。考えてみたが、答えは出なかった。
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