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第6話 / 全23話
第六話 異変
「こんちはー」
「……ちは」
俺とスイはガラガラと空き教室の扉を開ける。視線の先では千夏がアイスを食べていた。二個目を開けている。
「あれ?真田パイセンより先に二人が来るなんて珍しいっすね」
確かに部長がいないのは珍しい。周りを見渡すと、岩センの姿が目に入った。
「…………」
岩センは教壇で背中を丸め、息子さんの写真を見ている。その後ろ姿がいつもより重苦しくて俺は立ち止まった。
「岩セン? なんかあったの」
「……いや、今は話せねえ」
岩センは写真をしまって返事をした。
彼は俺たちの視線を受けてゆっくりと振り向く。そして何度も口を開けては閉じた。
「……どうしても、言えねえ。すまねえな」
「……聞いていいのか分かんないけどさ」
俺は一歩前に踏み出した。
「――前言ってた、息子さんのことでなんかあったとか?」
「…………」
岩センはただ黙って俺を見返した。彼の手はわずかに震えている。
それでも、その目だけはいつものように優しかった。
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