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第3話 / 全3話
森の主をテイムしてから三日。ソウタは初めての依頼報酬を手に、上機嫌でギルドの扉をくぐった。
「よっしゃ、今日こそまともな飯にありつけるぞ……」
懐には、狼と一緒に狩ってきた魔物の素材を売った金貨がずっしり。久しぶりに稼いだ実感に頬が緩む――その瞬間、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅した。
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スキル発動:【視聴者ガチャ】
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▼当選者抽選中……
進捗:██████████ 100%
「うそだろ、今日は平和に過ごせると思ったのに!!」
絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。今回はいつもと様子が違った。称号欄が空白のままだ。
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当選者確定
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ハンネ :名無しの視聴者
称号 :―――(一見さん)
発動まで:00:00:05
危険度 :★★☆☆☆(金銭的ダメージ注意)
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「名無し……? 初めましてのやつがいきなり当選するとか、一体何をやらされるんだ……」
コメント欄には、いつもの常連たちの声に混じって、ぽつりと一言だけが浮かんでいた。
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[名無しの視聴者]:今日の稼ぎ、全部使って受付のお姉さんくどいてみて
[底辺時代からの生き証人]:初見が急に無茶言い出した
[解説おじさん]:金の使い道としては最悪の選択だが止める権利はない
[名無しの視聴者]:初見スナイプで草
[名無しの視聴者]:見てる方は最高に面白いから続けて
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「初めましてでいきなりこんな無茶振り送ってくるの!?」
続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。
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指令確定
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内容 :本日の稼ぎを全額使い、
ギルドの受付嬢を口説き落とすこと
制限時間:00:00:05以内
未達成の場合……対象は即座に消滅する
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「金貨、全部!? 飯代すら残らないんだが!?」
叫んでいる間にも受付カウンターは目の前だ。座っているのは、テキパキと書類をさばく気の強そうな受付嬢。名札には「リナ」とある。
「あああああもう知らねえ、行ったれえええ!!」
ソウタは勢いよくカウンターに金貨袋を叩きつけた。
「リナさん! この金、全部使うので付き合ってください!!」
「は? 意味わかんないんだけど」
即座に冷たく突き放される。だが、ここで引けば即死だ。ソウタは震える声で続けた。
「じゃあ、この金で……ギルドに眠ってる依頼、一番きつくて誰もやらないやつ、俺が全部片付けます! その代わり、今日一日だけでいいので、隣で見ててくれませんか!?」
告白ではなく、依頼への挑戦状。想定外の切り返しに、リナの手が止まる。
「……ギルドの厄介依頼、片付けてくれるっていうなら。見ててあげてもいいけど」
「マジですか!!」
ソウタは残った金貨を依頼の前払いとして叩き込み、山積みになっていた不人気依頼の札を次々と掴み取っていく。魔物討伐、薬草採取、迷子の家畜探し――普段誰も手を出さない案件を、狼の力も借りながら次々と片付けていくソウタ。
その様子を、腕を組んだリナが呆れ半分感心半分で眺め続けた。
夕方、最後の依頼を終えて戻ってきたソウタに、リナがぽつりと言う。
「……あんた、バカだけど嫌いじゃないわよ」
ウィンドウが眩い光を放って躍る。
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指令達成
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名無しの視聴者の願望:成就
対象の生存 :確認
特記事項 :ギルド内評価、大幅上昇
NICE GACHA!!
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コメント欄が沸き立った。
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[名無しの視聴者]:口説くじゃなくて働かせるガチャで草
[底辺時代からの生き証人]:発想の転換で草生える
[解説おじさん]:結果的にギルドとの信頼構築に成功、悪くない選択だ
[名無しの視聴者]:初見スナイプなのに神回にするの草
[尊死予備軍]:ソウタくんの誠実さ尊い
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財布は空っぽになったが、代わりにギルドからの信頼と、優先的に依頼を回してもらえる約束を手に入れたソウタ。今日もまた、無茶振りは思いがけない形で彼を助けていった。
「……次はもうちょい、お財布に優しい無茶振りにしてくれよ」
呟くソウタの視界の端で、次のガチャがすでにカウントを始めていた。
……さて、明日の無茶振りは何だ? 第4話へ続く。
―――
初見の一言コメントすら神回に変えるソウタの底力! 次回もお楽しみに! ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!
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