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第2話 / 全3話
聖女との一件から一夜明け、ソウタは森の外れで震えていた。理由は単純明快、腹が減っていたからだ。
「金がない……マジで金がない……」
昨日の告白騒動のせいで、王都では顔が割れてしまい、まともな仕事にもありつけない。空腹でふらつく視界の端に、見覚えのある赤い光が明滅する。
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スキル発動:【視聴者ガチャ】
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▼当選者抽選中……
進捗:██████████ 100%
「またかよ! 昨日死にかけたばっかりだぞ!!」
抗議も虚しく、絞り込みの候補文字列がすさまじい速度で明滅し、やがてピタリと静止する。
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当選者確定
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ハンネ :解説おじさん
称号 :知識担当・隠れ攻略サポーター
発動まで:00:00:05
危険度 :★★★☆☆(見た目だけ凶悪)
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「解説おじさんて、なんか嫌な予感しかしないんだが!!」
コメント欄が、待ってましたとばかりに流れ込んでくる。
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[解説おじさん]:森の主は縄張り意識が強い代わりに、義理堅い性格で有名だ
[解説おじさん]:本気で頭を下げて誠意を見せれば、案外話が通じるらしいぞ
[解説おじさん]:土下座からいけ、これは無茶振りじゃなくて攻略情報だ
[底辺時代からの生き証人]:解説おじさん珍しく優しいな
[名無しの視聴者]:狼に奢れは草
[名無しの視聴者]:それただの死亡フラグでは?
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続けて、指令確定のウィンドウが目の前に叩きつけられる。
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指令確定
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内容 :森の主(巨大狼)に土下座し、
食事を奢ってもらうこと
制限時間:00:00:05以内
未達成の場合……対象は即座に消滅する
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「森の主って、あの伝説の……!?」
ソウタが顔を上げると、木々をなぎ倒しながら、体高三メートルはあろうかという巨大な狼がこちらを睨みつけていた。血走った眼、剥き出しの牙。誰がどう見ても、奢ってくれそうな相手ではない。
「あああああもう知らねえ、行ったれえええ!!」
ソウタは全力でその足元に滑り込み、勢いよく土下座した。
「お、狼の親分! どうか! 腹ペコの俺に飯を恵んでくださいお願いします!! 一生ついていきます!! なんでもします!!」
土下座のまま、涙目で叫び続ける。あまりの必死さに、狼の唸り声が一瞬止まった。
――そして狼は、鼻先でソウタの襟首を咥え上げると、ずるずると引きずり始めた。
「ちょ、食われる!? 待って待って!!」
引きずられた先は、狼の縄張りの奥にある洞窟。そこには狼が溜め込んでいた干し肉の山が積まれていた。狼は干し肉の塊をソウタの前にどさりと落とすと、じっとこちらを見つめてくる。
「……くれるの? マジで?」
恐る恐る手を伸ばすと、狼は静かに伏せの姿勢を取った。まるで「食え」と言わんばかりに。
ウィンドウが眩い光を放って躍る。
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指令達成
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解説おじさんの狙い:的中
対象の生存 :確認
特記事項 :森の主、テイム済み
NICE GACHA!!
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コメント欄が大爆発した。
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[解説おじさん]:見たか、俺の攻略情報は伊達じゃない
[底辺時代からの生き証人]:解説おじさんまさかの有能枠
[名無しの視聴者]:迫力ある土下座選手権優勝
[名無しの視聴者]:もうペットじゃん
[尊死予備軍]:ソウタくん強すぎでは?
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満腹になったソウタの隣に、いつの間にかちょこんと座る巨大狼。命懸けの無茶振りは、いつの間にか頼もしい相棒を連れてくる結果に終わった。
「……なあ、お前、名前つけていい?」
狼はふさふさの尻尾をひと振りして、答える代わりに大きくあくびをした。
……さて、明日の無茶振りは何だ? 第3話へ続く。
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解説おじさんの隠れた有能ぶりで着々と最強パーティが出来上がっていくソウタ。次回もお楽しみに! ブックマーク登録・評価・感想レビュー、お待ちしております!
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