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第2話 / 全2話
ドラゴンの鱗。魔王城に住むという伝説のドラゴン『ケツァルコアトルス』の鱗らしい。
それを私に売りつけようとしているのは、怪しい商人。フードを被り、目元からは赤い光を放っている。
私は買うことにした。本物か偽物か?わからないなんてことはない。剣太郎の鑑定スキルで見抜いた結果本物だと証明されたからだ。ちなみにこのチートを発動するために、一人で、パンを40個平らげるというバカみたいなことをやらされた。やだよ。太っちゃうじゃない。
その鱗は、金色に輝いている。触ってみると少しひんやりした。
「さあ、これは売りに行こうぜ。元手にして傭兵団を作り上げ、この世界の貿易を握りやがて世界政府に」
うるさい。剣太郎を黙らせる。魔界のドラゴンの鱗なんて滅多に手に入らないんだからこれを使って鎧を作るんだ。
◇
鍛冶屋に行くとおっさんは、驚いていた。
「すげえなぁ。お嬢ちゃん。こんな鱗見たことないや。」
「当たり前よ。ドラゴンの鱗なんだから。さあケツァル装備でも作ろうかしら。」
おっさんは、苦笑いする。
「お嬢ちゃん。これが本当にケツァルの鱗でも、装備を作るには、ケツァルの鱗五個に、竜眼一つ、ガパオライス鉱石が二十個は必要じゃよ」
はあ!なんで鎧に竜の目なんか必要なのよ。
その時剣太郎が口を開いた。
「確かに、俺には鎧のことは、わかんねー。だけどな。その窯の火が弱いんじゃないのか?マグネシウムとか、石炭とか使えばいい気がする。まあ元の世界ではニートだったから実際にはわかんねーけど」
ニート?何それ?。剣太郎のアイデアにより、立派な窯と、燃料が用意できた。
「さああと一仕事じゃ。ビックホーンの角二百個、マグネシウムの代わりに、萌萌草三百、そして最後にケツァルの目玉じゃ。」
「ひゃー」
結局そこに行き着くわけね。あはは。楽をするためには苦労しろと……。確か師匠も言ってた。「苦労はしたほうがいいんじゃ。わしの若い頃は」そこからは聞いてないけど。
「ありがとう!それにしても喋る剣。すごいな。天才じゃ。剣太郎万歳じゃ」
「あはは、またやっちゃいました。」
こうして私たちは、何故かケツァルコアトルスを退治する羽目になったとさ。
◇
「というわけなんです。一緒にケツァル倒しに行きませんか?」
私は、上機嫌だった。ライオネルを誘う口実ができたから。剣太郎のおかげかな。たまには感謝してもいいかも。
鏡の前で予行演習してみる。もっとしゃがんだ方がいい?
「さすがにきついぜ。大体イケメンなんてろくな」
「はいはい寝ましょうね」
「おい。まだ喋って」
剣太郎を鞘に入れて宿の自分の部屋の棚に置く。
そのまま私は、眠りについた。だって今日は疲れたもん。ちなみに風呂は覗かれないように剣太郎を、箱に入れてから入る。ちょっと悪いかな?でもいいよね。毎回私が砥石で研いで綺麗にしてやってるんだから。
「ガサゴソ」
眠い目をこじ開けて、蝋燭に火を灯す。怪しい人影が箱を盗んでいくところだった。
「待って。それ私の」
怖い。女の子の部屋に入り込むなんて。だけどあのチート?がないと……。だって盗まれたら売られたりして普通の剣みたいに使われたりしたら。今行かなきゃ、もう二度と会えない気がした。
私は、人影の方に灯りを向ける。人影は、髭面の男だった。
「待って」
「いいや。待たない。俺はな。最強なのに仲間から追放されたんだ。こいつを貰って売り捌いていい暮らしをして見返すんだ。」
そう言って窓から出て行ってしまう。
「剣太郎!」
私は窓に向かって叫んだ。
◇
剣太郎を探すために、ライオネルのいる酒場に向かった。
「アミリアちゃんの大事な剣が盗まれた?」
私は頷く。なりふり構っていられない。練習した上目遣いも全く意味をなさない。
「分かった。俺が取り戻してやる。」
さっすがライオネル。やるわね。
「ちょっと。勝手に決めないでよね。私の許可は?」
「いいや。俺はいくぜ。」
「まあいいわ。その代わり助けたら私の靴じゃなくて、シリンダーを舐めなさいっ」
「ははあ。マイマスター」
変態だあ。私の王子様がただの変態になっちゃった。
「でサリア姫。剣太郎を追跡するには何をすればいいのでしょうか?」
ライオネルは険しい顔をする。
「そうね。有り金を全部使ってあそこの肉まんみたいなやつを買うだけ買いなさい。」
「なんでまんじゅうなのよ!」
「この世の因果が……」
分かった分かった。
肉まんってのはまんじゅうの事みたい。さっそく私たちは、酒場の中にある屋台のおっちゃんから肉まんをあるだけ買い占めた。
「買いました。サリア姫。そうしたら肉まんをそこの川に流しなさい。」
ああ。私の肉まんと財産。私たちは、笹で船を作り、肉まんを川に流した。(もちろん後でスタッフが美味しくいただきました)
肉まん50個の艦隊が、川を下っていく。
その川の先に洞窟があった。
私とライオネルは、蝋燭を手に入っていく。
「いやあ、さすが剣太郎殿。」
あれは剣太郎の声?
「いや。俺たちやれるよな!俺らなら世界を支配できるぜ。」
「だよな。俺お前に会えてよかったよ。」
「あらやだ剣太郎様。」
さっきの盗人だ。知らない女の子な声まで聞こえる。
「ふはは!可愛い女の子のハーレムを作ろう。」
「サリナやっちゃいなさい。」
「はあ?なんで令嬢の私があんたなんかに!」
「いいからっ」
「まあ確かに。ムカつくわね。」
「サリナ様どうか。」
結構私と、ライオネルが、スタッフと共に水にふやけた肉まんを食らう事で、強力な洪水が発生し、くだらないハーレムパーティは全滅しましたとさ。
「あっ待って。置いていかないで。あっアミリアさん?ハーレムなんかやめるから」
剣太郎の悲鳴が洞窟にこだまする。
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