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第10話 / 全10話
しんしんと雪が降り積る。
子供たちが作り上げた歪な雪だるまは、曇天の下で思う。
どうして僕は生まれたのだろう。春が来れば、どう足掻いても溶けてしまう。それなのに。
ここから動くことも出来ず、ただ行き交う人々を見ながら日々を過ごす。
次第に雪は雪だるまの腰の高さまで積もり、さらに高さを増していく。
僕はこのまま雪に埋もれてしまうのだろうか。作ってくれた子供たちにも忘れられ、僕は何を残すことができるのだろう。
雪だるまは一粒の涙を零す。地に落ちると、それは波紋のように広がっていき、雪は色とりどりの花へと姿を変えていく。
嗚呼、春はこんなにも美しいのか。
もう一粒涙を零すと、雪だるまは光となり、天へと昇っていった。
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