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第9話 / 全10話
野ばらは思う。
いつまでも美しくありたい。蕾の頃から、ずっとずっとその思いは変わらない。棘を生やし、自らの身を守ってきた。
朝露に濡れ、朝日を乱反射させる。この瞬間が最も美しいと思う。恍惚としながら、野ばらは風に揺れる。
不意に誰かの足音が聞こえてきた。私を摘もうとしても棘が守ってくれるだろう。そう高を括る。
ところが、その人は奇妙な器具を用い、野ばらの棘を取り除いてしまった。痛いと思う間もなく野ばらは手折られる。
「あの子の髪に飾ってあげよう」
私は誰かのために美しくなったのではないのに――。
その後、野ばらは老いることのないドライフラワーへと変わり果てた。
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