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第16話 / 全23話
その時、がらりと図書室の扉が開く。
「あ、あの……」
千夏だった。先ほどより少しだけ落ち着いたようだ。
「千夏?もう大丈夫なのか?」
「ええ、まあ……。二人とも、お疲れさまっす」
まだ声が震えている。ふらふらと俺に近づいてくると、俺の服の裾をきゅっと握って見上げるようにして言った。
「……あの……いきなりっすけど、今から購買行ってアイスとか食べないっすか?」
「え? アイス……?」
彼女は恐る恐るといった様子で続ける。
「は、はい……あの、こんな時だからこそ、休憩とか……。ていうか、気分転換しないとおかしくなりそうで……」
その言葉に、俺は面食らう。……確かに、死体を見つけてからずっと気を張りっぱなしだ。スイのことは気になるが……俺もこの現実から逃げたかった。
「……わかった。スイは……来るか?」
俺はスイの方を見ずに言った。どうしても声が低くなってしまう。
「……うん。私も行こうかな」
スイはうつむいたままだった。彼女は小さく足音を立てて隣に並ぶ。千夏は不安げに彼女を見つめると、切り替えたように明るい声を出した。
「さ、さあ!行きましょ、センパイ」
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