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第一章 火の魔法 FER(フェル) / 第12話
ジュワアアアアアッ!!
「……どうだ?」
カイエは立ち上る白い湯気をじっと見つめる。
「もう一回!」
「……はぁ。またかよ」
アイゼンは半ば呆れながら、金属片を赤くなるまで熱しては、水に入れる作業を繰り返した。
カイエは納得せず、何度も何度も、金属が冷える工程を確認する。
ジュワアアアアアッ!!
「……どうだ?」
「……違うかも」
カイエはガックリ肩を落とし、力無く答えた。
その表情は本当に悲しげで、アイゼンは頰を掻きながら言った。
「ふぅ……まったく。 嬢ちゃんは何を確認してぇんだ?」
カイエは項垂れながら、水中でフェルを唱えて爆発を起こした話をアイゼンに伝えた。
湯気と爆発の関係が気になって仕方ないのだ。
「ふむ、爆発ねぇ……」
白い髭を撫でながら、アイゼンが再び金属を熱し始めた。
(……今までと同じだな)
カイエの横で、アミナスはあくびを噛み殺しながら黙って見ていた。
エコーはお菓子を求め、休憩スペースの棚の中を物色している。
アイゼンは十分に熱された金属片を作業台へ置き、平らなハンマーを持った。
「嬢ちゃん、しっかり見てろよ」
「ん?」
アイゼンがニヤリと笑い、ハンマーの先を桶の水に浸す。
水滴が一粒、二粒。
熱した金属へ向かって、大きく振りかぶった。
──パァン!!
勢いよく火花が飛び散った。
「「 !!!!! 」」
とっさに耳を塞ぐカイエとアミナスに、アイゼンは豪快に笑う。
「ぶわははは! すまんすまん!」
「──今、爆発した!!」
カイエが口元をフルフルさせながら、アイゼンを見る。
「そう、これは爆鉄っつー技法なんだよ」
ほれ、とアイゼンが金属の表面を指差して見せる。
叩いた後の表面だけが、鏡のようにピカッと綺麗に光っていた。
「爆発で、汚れが取れた……?」
カイエはノートを開いて、アイゼンを見上げる。
「平らな面で水を押さえ込むと、湯気が逃げ場をなくして弾ける。それで表面の汚れも飛ぶんだよ。」
アイゼンが自慢げに言った。
「湯気が……逃げられなかった? 閉じ込められて……」
押し返そうとしている?
圧力。
(あつりょく!?)
また知らない言葉が浮かび、カイエはそれも含めてノートに書き殴った。
===============
『
ゆげをとじこめる
↓
ゆげがにげられない
↓
ばくはつ
(あつりょく?)
』
===============
アイゼンは真剣なカイエに苦笑しながら言った。
「さて、これで謎は解けただろ。 もういいか?」
「あっ! あと、もう一個!!」
ビシッと挙手をするカイエに、アイゼンとアミナスは思わず絶句する。
エコーはアイゼン秘蔵のブランデーケーキを齧りながら、どこか愉しそうに尻尾を揺らしていた。
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