読み込み中...
読み込み中...
第一章 火の魔法 FER(フェル) / 第13話
一旦休憩にしましょうと提案したアミナスにアイゼンが同意し、渋るカイエは休憩スペースに座らされた。
ほんのりブランデーの香りを漂わせたエコーがカイエの隣に座り、アミナスは丁寧に淹れたお茶を配る。
そのカップが人数分より一つ多いことより、隠しておいたブランデーケーキの箱が転がっていることの方がアイゼンは気になっていたが、二人の前なので平然を装った。
===============
『
しらべること
1、フェルは火じゃない → 白い光?
2、水のゆげ → どうしてばくはつ?
3、まほうのきょか → だれがする?
』
===============
アミナスのお茶を飲みながらノートを確認するカイエ。
その手元をアイゼンが覗き込む。
「ほぉ。 面白れぇことをやってるな」
カイエが顔を上げ、アイゼンに尋ねた。
「面白い?」
「ああ。 火を日常的に使っていると当たり前になるんだが、嬢ちゃんから見ると不思議に見えるのな」
そう言って、鍛冶場の奥を指差した。
部屋の奥。
黒い石造りの炉。
その中央には耐火石でできた坩堝。
思わず駆け寄るカイエの服の背中を、慌ててアミナスが掴む。
「危ないです! 覗くなら慎重に、近づき過ぎないでください!」
「うん!」
そろりと中を覗くカイエの顔を、黄色い光が照らした。
赤橙色の金属が表面をゆっくり波打たせ、とろりと揺れている。
「……火?」
「違う。溶けた魔鉄だ。」
「燃えてない……光ってる」
カイエが観察していると、赤かった金属がゆっくり橙色へ変わっていく。
「……色が変わった」
「おっと。ちょい温度を上げ過ぎたな」
アイゼンが作業員に指示を出している横で、カイエは坩堝に釘付けになっていた。
その間に魔鉄が黄白色へと変化し、眩く光る。
「温度が上がると、白くなる……」
赤いけど、燃えていなかった。
熱くなると、光って色が変わる。
「フェルは火じゃなくて、熱い?」
ポツリと言葉をこぼしたカイエの隣で、アミナスもその光景から目を離せなくなっていた。
この話はいかがでしたか?
この作品を評価する