
この作品にはR15相当の暴力・残酷・精神的に強い描写が含まれる場合があります。
戦国の世、商業都市・堺。納屋衆の家に生まれた田中与四郎――後の千利休は、三好家の嫡男・千熊丸と乳兄弟として育ち、身分を越えた竹馬の友となる。 二人の周囲には、茶を喫し、花を生け、香を聞き、連歌を詠み、庭や書画、唐物を愛でる人々がいた。それらを結ぶものが「数寄」。与四郎は千熊丸とともに茶を学びながら、武家、公家、僧侶、商人、数寄者たちとの出会いを通して、その奥深い世界へ少しずつ足を踏み入れてゆく。 しかし、時代は細川氏の内紛によって大きく揺れていた。将軍家を巻き込んだ争いは京から畿内各地へ広がり、千熊丸の父・三好元長もその渦中に身を置く。華やかな文化を育む人々も戦乱と無縁ではなく、茶道具すら富や権威を示し、ときには政治を動かす力を持っていた。 戦と文化、権力と美が入り交じる乱世。そのただ中で成長する二人の少年は、それぞれの道を歩み始める。 後に天下一の茶人となる千利休は、いかにして「数寄」と出会い、自らの美意識を育んでいったのか。 史料に残る戦国の政治・文化・茶の湯を背景に、利休と三好長慶の少年時代から始まる友情と、数寄に生きた人々の姿を描く歴史小説。
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