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俺の店は、三日後に潰れる。 みそぎ屋。築四十年、信者……もとい常連客は五人。それが俺の全神力だ。ブラック企業から左遷されて田舎のスーパーを継いだ日に、トラックに轢かれて死んだ。気がついたら、店の神様になっていた。 授かった権能は「賞味期限」。炎も雷も出ない。プリンの日付をいじれるだけ。ハズレを引いたに違いない――そう思っていた。大手チェーンの神様が、店を潰しに来るまでは。 賞味期限は、付けられる。延ばせる。そして、値引きシールが貼れる。神様に貼れば、神様が半額になる。格上だろうと、見切り品だ。 信仰力は売上。閉店セールは無期限。押し寄せる刺客は、熱の主任に、重力の部長に、氷の役員――なぜか全員、スーツで来る。迎え撃つこっちは、条文で神を縛る幼馴染の公務員に、油揚げで動く千年狐の先輩に、約款を撃ち出すツンデレ顧問。組合員数二の商工会が、今日も店を開ける。 ただ、ひとつだけ分からないことがある。なんで俺なんかに、この権能が宿ったのか。……その答えは、まだ棚の奥だ。 本日も、無事閉店せず。弱小神の反撃、開店中。
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